“カスハラ”に毅然な対応 課題も 企業・自治体で強化

自治体の一例として、品川区では窓口業務の職員らがトラブルになった際、「名前を覚えた」「インターネット上に名前をさらす」こうしたことを言われたといいます。
そこで、2024年の4月から全職員4500人の名札を変更しました。これまでは顔写真+フルネームでしたが、変更後は名字のみとしています。
他にもタリーズコーヒーでは、2022年から全店舗の従業員の名札をイニシャルに統一しています。

ホラン千秋キャスター:
実際にひどい対応をされた時、それをSNSに書き込んで企業が炎上するということがあったと思います。
それを避けるために、いろんな予防線を張って失礼がないように対応していたら、今度は逆に理不尽な対応を受けてしまって、カスタマーハラスメント対策が生まれる。本当にどこまで配慮しあったらいいんだろうという、悪循環にもなり得ますよね。
産婦人科医 宋美玄さん:
配慮すると、より配慮されるのに慣れてしまって、さらに配慮を求めるみたいな。
インターネットの口コミに事実と違うことを書き込まれると反論のしようがないし、本当に一部の人のせいで全体のルールが萎縮していくのは問題ですよね。
井上貴博キャスター:
ハラスメントでひとくくりにされがちですが、犯罪に近いものも多いと思います。「SNSにさらすぞ」というのは脅迫ですし、暴力・暴言ももちろん犯罪ですが、それが客と従業員の立場になったときに何も言えなくなる。
これを現場任せにするのではなく、例えば防犯カメラをしっかり設置するなど、コストがかかるとしても、そういう企業にしか人が集まらなくなると、企業に差が出てきて、やはりやらざるを得なくなる。企業側が責任を持たなければいけない、そちらが大切なのかなと思います。
産婦人科医 宋美玄さん:
ドライブレコーダーとかも一般化していますし、うちも受付には防犯カメラを置いて、言った・言わない、渡した・渡していないなど対応していますが、いずれ診察室とかにも必要になってくるのかなと思います。後から検証できるのは大事ですよね。
井上キャスター:
タクシーでも、車内カメラを設置したことで被害が少し減ったというデータも出ていますから、そういう時代になっていくのかもしれません。
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〈コメンテーター〉
産婦人科医 宋美玄
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信