コロナ重症患者の血栓に見つかった「ミルナイン」とは?

(宮下修行教授)
「簡単に言いますと、血液の中には白血球と赤血球と血小板があり、血小板は血を止める役割で、これが多くありすぎると血栓ができてしまう。その血小板の中にミルナインというたんぱく質があると思ってください。血栓形成に関与するものです」
ーー130人のうち123人において「ミルナインの濃度が高いとコロナの重症度が高まり、入院日数が長くなる」そんなことまでわかったということですか?
(宮下修行教授)
「そういうことですね。一番重要なポイントは何かというと、いわゆるこの人が重症化するのかどうなのかっていうことを見分けるためには、非常に有用なサイン、物質であるということは言えるかと思います」

ーー初めてミルナインという言葉を聞いて、自分の体の中にはどのぐらいあるのかっていうのは、我々一般市民は何か調べることができるのでしょうか?
「一般的には調べることはできません。特別な機械で調べます。昔からよく言われているのは血管炎、いわゆる全身の血管の炎症が起こるようなときに、こういうものが上がるということは、今まで報告されています」
ーーミルナインの濃度を下げられるんですか?
「正直言いまして、それはないと思います。人間っていうのは面白いもので、正常範囲から高くなると例えば血小板は血栓ができますし、低くなると出血しやすくなっちゃうわけですから、下げるというのもあまりよくないんですね」
ーーどういう人がミルナインが多いといった傾向はあるんですか?
「やっぱり炎症が強い方、特に血管の内皮細胞の障害が強い方ということですね。膠原病みたいな方はそういうふうになるとされます」
ーー高齢者が重症化しやすいとよく聞きますけども、年配の方が多いとか、そんなことは言えるのですか?
「これは血栓による重症化ですけれども、重症化する因子というのは他にもいろいろあります。高齢者の場合は免疫が落ちているので、ウイルスによるサイトカインがたくさん出てくるというのがやっぱり一般的で、血栓よりそっちの因子の方がちょっと強くなるかなと思います」