公開された「当日の進行マニュアル」

環境大臣と懇談するという機会は、水俣病被害者にとって貴重な時間だ。もちろん行政側にとっても、被害者の切実な思いを聞くことは、いまなお続く公害問題の実態を直に肌で知る貴重な機会のはずである。
そんな場でなぜマイクをオフにするような運用がなされたのか。
当日の進行マニュアル、「水俣病関係団体との懇談シナリオ」が公開された。そこに書いてある内容は被害者の声をじっくりと聞こうという姿勢がおよそ感じられるものではなかった。
シナリオは約40分間の懇談を、分刻みのスケジュールで進められるよう、分単位で進行予定時刻が記入されている。
そして、問題となった各被害者団体の発言意見表明の部分では、団体側から不測の求めがあった場合や、持ち時間が近づいた場合を想定して、それぞれの対応方法が「網掛けの文字」で詳細に記述されていた。(以下、抜粋する)