県農業試験場育種部・小野佳枝(おの・よしえ)部長:
「このハウスのなかで、外の高温の条件を再現するということです。このハウスのなかでは外よりも温度を高くということで、1日の平均気温を27度以上になるように、この横ですとか天窓といいますけど、上の窓を開け閉めして高い温度を保つように管理をしています」

このハウスで8日から始まったのが、品種改良のためのコメの田植え。

コメも暑さの影響で品質が低下してしまうといいます。

実際に見比べてみると…。


小野さん:
「こちらが正常のお米の粒なんですけども、温暖化になると、こちらのように中が白っぽく濁った白未熟粒という、でんぷんがうまくたまらなくて品質が落ちる粒になってしまうことがある。これは胴割粒(どうわれりゅう)でして、粒の中に亀裂が入ってしまうことがある」

ここでは10年以上前から暑さに強い品種の開発を目指していて、60種類ものサンプルを栽培し、試験を繰り返しています。


小野さん:
「温暖化傾向だからといって、ずっと暖かいわけじゃなくて、最近、霜が問題になることがあるように、生育が温暖化で進む一方で、そのあと気象変動も激しくて、それに合わせて冷害に対しても抵抗性を持つもの、あわせて食味も良くおいしい品種であること。それと温暖化になって病気や害虫の被害が増えてくる傾向がありますので、そういったものに対しても抵抗性をあわせて持つような品種の開発も進めています」

対策を徹底した場合でも、今世紀末までに2度ほどの気温上昇が予測されている世界の気温。

先を見据えた取り組みが続いています。