リードして勢いの出てきた桐蔭学園は、後半に入るとさらに試合巧者ぶりを発揮します。後半4分、攻め込んでいた御所実のペナルティーで再び御所実陣内に入り込むと、またしてもラインアウトからボールを素早く展開して、御所実自慢のFW陣から離れた位置での勝負に持ち込みます。ここから一人一人の選手がハンドリングスキルの高さを発揮して、最後はCTB徳山凌聖選手がトライ。ゴールも決めて19対7とすると、さらに9分、今度はFW陣が奮起します。反撃を試みる御所実の攻撃に対して、FB古賀龍人選手が落ち着いた対応で敵陣に入り込むと、ここぞとばかりFW陣が集中。素早い集散で御所実の反則を誘って、絶好の位置でペナルティーを獲得します。このチャンスに後藤選手がPGに成功。22対7、逆転には3チャンス以上必要な差をつけて、勝負の流れを決定づけました。

 「このチームは、個の力が去年のチームほどない分、一人一人が主体的に、試合中であっても考えながらプレーしようと意識している。きょうは途中から出るメンバーも含めて全員で考えて、一体となったラグビーができた」と申驥世主将が語った桐蔭学園。この後も、確実にリードを保って30対14。こちらも3戦全勝でグループリーグを1位で突破し、1位から4位を決める決勝トーナメントに駒を進めました。
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 なお、準決勝で大阪桐蔭はサウスランドボーイズハイスクール(ニュージーランド)に24対17で勝利、桐蔭学園はセントオーガスティンズカレッジ(オーストラリア)に29対22で勝利しています。

 大阪桐蔭対桐蔭学園の決勝戦は5月5日に行われます。


 (MBSスポーツ解説委員 宮前 徳弘)