30cmの靴を履いている筆者の足を松下さんに計測してもらったところ、足の長さは27cmで、歩いているときなど、足に体重をかけた状態でも28cmしかないことが判明しました。体重をかけると、足が伸びます。この伸びる長さも、足の骨格や特徴によって違ってくるといいます。

もし、足の長さと同じ27cmの靴を履いた場合、履くことはできますが、歩くときに、靴の中で足が伸びる余地が無くなり、足に余計な負担がかかります。筆者の足の骨格の場合、この余地のことを考えても、靴のメーカーにもよりますが、28〜28.5cmの靴を履くことができると言うのです。

にもかかわらず、30cmの靴でないとフィットしている気がしないのは、筆者の足の骨格が日常生活の中で歪んでしまったからだといいます。
 
筆者の足の骨格は、右足の内側の骨が、正常な位置とずれていて、右足を地面につけた時に左側に傾いている状態です。このずれている骨が靴にあたるのを嫌がった結果、靴のサイズがどんどん大きくなっていったようです。

身体全体にまで悪影響を及ぼす足の骨格

松下さんによると、足の骨格が歪むと、身体全体に悪い影響が出ます。

「土台である足の骨格が崩れてしまうと、膝や腰でバランスを取り直そうとするため、無理な負担がかかり続けます。すると、膝や腰などに痛みが発生することも」

足骨格に問題がある場合は「足骨格を修正し、身体全体のバランスを正しい位置に戻すと、これらの痛みが緩和される場合があります」と松下さん。

筆者のように適切なサイズより大きい靴を履くのは、靴の中で足が動く原因になります。それによって足への負担が大きくなり、歪みの原因につながるといいます。

だからといって、いきなり適切なサイズの靴を履いたからといっても、歪みが直るわけではありません。筆者の場合は、骨の内側が靴に当たって痛みを感じます。

では、無理なく、歪んでしまった足の骨格を戻すにはどうしたらいいのでしょうか?

松下さんによると、自分自身に適した形のインソールを作って、日常生活で使い続けることで、足の骨格の歪みを矯正できます。筆者の場合は、ずれている骨を支えるような形のインソールになるようです。

矯正された状態でなら、正しいサイズの靴を履くことができ、足への負担の軽減ができます。

「自分の靴のサイズはこれ」と固定観念にとらわれず、「靴の履き心地はこんなもの」と思い込まずに、一度サイズを計測して自分の足と向き合ってほしいと松下さんは言います。

身体の不調を足元をから見直すことで、膝や腰などの負担を軽減し、健康寿命を伸ばすことにもつながりそうです。