4LDK住宅やスーパー跡地も“0円”で譲渡! しかし、コストとリスクも…
23ジャーナリスト 片山薫 記者:
空き家のマッチングサイト「みんなの0円物件」には、さまざまな物件があります。

たとえば北海道紋別市の元酪農家の方が手放した土地は、4LDKの住宅にテニスコート20面分の土地、さらに山もついて0円。

商業地でもそういうのが行われていて、新潟県燕市では、丸々1棟スーパーの跡地を建物ごと譲って0円。さらに北海道足寄町でも、パチンコ店が丸々1棟0円で譲り渡されたという成約ケースがあります。
藤森祥平キャスター:
「0円か~」と思いますね。誰でも手を挙げていいんですか?
23ジャーナリスト 片山薫 記者:
誰でも手を挙げていいです。

ただし、やはりいろいろ下調べがいるのと、物件自体は0円ですけれども、贈与税や、他にも各種税金がかかります。それと、土地や建物の登記費用は別にかかるので、コストが数十万円単位になることが多いです。
もう一つが、建物のリスク。土地にもいろいろ建築条件や利用条件があるので、そのへんをある程度知らない方が手を出すと危険だというのは、この仲介サイトの方も言っていらっしゃいます。
小川彩佳キャスター:
0円といいますが、まったくのタダではないという。ただ、空き家の有効活用は非常に大事な課題ですよね。
日本総研主席研究員 藻谷浩介さん:
これだけ空いていると、なかには有効に活用できる家もあるはずです。実は私も頼み込まれ、ある地方の空き家を買い、今は民泊に…。

いい商売をしていると思われるかもしれませんが、一方的にお金を出しただけです。結局、家を登記上、担保物件だったものを解除するお金を出して、ちょっとお金を入れて直してみましたが、とても直りませんでした。
今はその道のプロの方にタダで貸していて、彼らがさらに投資をしてリフォームをして、民泊にして投資を回収しています。とても素人にできることではありません。
もし万が一、何かあって火事でも出れば持ち主の責任になるわけですし、同じように放置しておいて、さらにそれを放置したら周りの人はまた困るわけですから、買う以上は責任が発生します。
ただ、いろんな意味で夢が広がる、素晴らしいことです。といっても、これは地方都市で、いいところだったのでできました。

空き家が一番問題なのは東京です。皆さん、空き家は地方の問題と思っているかもしれませんが、東京も9軒に1軒は空き家です。マンションやアパートは、1室を1軒と数えます。皆さんも夜に歩いてご覧になると、明かりがついていない部屋が多いでしょう?
令和5年 住宅・土地統計調査では、日本に空き家(別荘を除く)が900万軒あるうちの10軒に1軒は東京です。次に多いのは大阪、神奈川。
しかもこの東京、大阪、神奈川といった空き家は集合住宅が多いですから、放置しておいても腐ってなくなるわけではありません。

23ジャーナリスト 片山薫 記者:
空き家が増え続ける問題ですが、実は住宅の数で見てみると、今、全国に6500万戸あるうちの900万戸が空き家です。
一方、空き家は増え続けていますが新築も増え続けていて、260万戸も新しく作られています。でも、人口は減っている。これは結構問題なのではと思いますが、いかがですか?

日本総研主席研究員 藻谷浩介さん:
はい、20年以上前から「問題である」ということをずっと言ってきています。
ただ一方で、古い空き家は、耐震性や断熱性がないことが多いです。新しい耐震性や断熱性がある家に変わっていくこと自体はいいことではありますが、新築で260万戸を作るのであれば、逆に年間300万戸ぐらい処分していかないと計算に合わない。
ですから、私は逆に新築を買っていません。必ず余るので、損をするのではないかと思っています。














