高校生活と研究、どう両立?

山根さん
「Xは2より小さくて5より大きくなります」

実は山根さんには、学校生活と好きな研究を両立するための自由な時間があります。去年の春開校の、山口松風館高校です。県内初、午前・午後・夜間の3部に分かれた定時制の学校です。必修科目のほか、選択科目から授業を選べるので、自分の興味や進路の希望に合わせて学べます。

山根さんは午前の部に通っていて、学校は午前9時に始まり、正午過ぎに終わります。この時間割りで、4年で卒業することを目指しています。

午前で授業終え「好きなこと」に没頭

昼に授業が終わると、午後からは自由時間。3年で卒業する高校生と比べると、好きなことに時間が使えます。

山根さん
「自由な校風なので、自分の好きなようにというわけではないけれど、気軽に過ごせるので好きです」

一方、中学生のときには学校に通うのが嫌だった時期があったといいます。

山根さん
「完全に決められているというか、制服がいやだったりしたので…。まぁ制服がいやだったんだけど…笑」

「1人部活」で放課後も充実

いまは窮屈に感じることもなく、学校生活が輝いています。いま山根さんが夢中になっているのがロードバイクです。「1人部活」と呼び、学校から帰ると毎日2、30キロ走っています。

山根さん
「風を浴びるのも気持ちいいです」

時には宇部市の自宅から山口市の高校まで、1時間半かけてロードバイクで通うこともあるといいます。

「好きなことで人のためになれば」家族も見守る

母親の友紀子さんはどのように感じているのでしょうか。

母親・山根友紀子さん
「何をしていても常にそのときに楽しいことをするっていうスタンスみたいな感じなので、何をしていても楽しんでいるように見えます」

「枠にとらわれない自由を息子に教わる」といいます。

由紀子さん
「人付き合いもとてもいいし、人のためになることっていうのは昔から好きだったと思うので、好きなことを通してそういうことができればいいかなと思っています」

山根さんの将来の夢は「エンジニア」。自分のノウハウを子どもたちに伝えたいとも話します。これからどんな発明が生まれてくるのか。斬新な発想を生かし、創作に力を注ぎます。

ことしの新発明品もスゴイ

実は山根さん、ことしの夏、新たな発明品を作り、県内の大会で優秀賞を受賞しました。全国で最優秀賞に選ばれた360度自由に動かせる「オムクロタイヤ」を改良し、水上でも動くタイヤを発明しました。作品名は「ストレスフリーで水陸レスキュー『スクリュータイヤ』」

山根さん
「陸上だと動かす時は斜めに小さな車輪が何個もついていて、そして水上だと、ここの間に水の流れが通って動くことができます」

ロボットの周りには水上で浮くように浮きもついています。陸上はもちろん、水上でも風や波にあおられることなく動くよう設計されています。将来はカメラをつけて、水中で行方不明者を捜索できるロボットにしていきたいと考えています。

(mixで2023年に紹介した特集の中から、ゴールデンウイークに家族で楽しんでもらいたい話題をピックアップしました)