「黙秘します」と言ったら「認めたな」と
女性を殺したのは男か。
そして、女性が殺害、遺棄された「時間」が争点となったこの裁判。女性の姿が防犯カメラで最後に確認されたのは、17日午前0時59分。約4時間後の午前5時過ぎには、女性の車が女性宅近くの駐車場に停められる様子が防犯カメラに映っていたものの、運転している人や女性が乗っているかどうかは確認できなかった。

検察側は、女性の車が駐車された場所から遺体発見現場までの車を使った移動時間を引いた午前4時半までが女性が殺害、遺棄された時間だと主張。対する弁護側は、駐車された女性の車を運転していたのが男だという証拠はなく、午前4時半以降も女性は生きていて、自分と別れた後に何者かによって殺害されたと訴えた。
今回の裁判で判断するのに「直接証拠」はなく、存在するのは検察が積み上げた「状況証拠」のみ。検察側は、女性の車が映る防犯カメラの映像や女性のスマートフォンでのやり取り、男のスマートフォンに保存されていた女性の銀行口座のID、パスワードの画像などを挙げ、立証に努めた。
最終陳述で男は言った。

「2年前の1月21日、警察にやってもいない罪で逮捕された。わけのわからない嫌味を言われ、『お金をもっていないから殺したんだろ』と言われた。今まで2年以上殺人犯として拘束された。警察の取り調べで『黙秘します』と言ったら『認めたな』と。『覚えていない』と言うと『うそをついている、あいまいでごまかしている』と何をしても言われた。4つすべてやっていないし、わかりません、本当に。私は犯人ではないので、これですべて終わると信じています。女性を殺した犯人を1日でも早く探してほしいと思います」