息子の心の叫び「死んだらお母さんに会えるかな」
男と女性の出会いは2021年7月、息子と友人と一緒に行った、静岡市のキャンプ場だった。それから2人で会うようになり、9月には同棲を始めたが、その3か月後には解消。ただ、その後もたびたび会っていたという。
事件が起こったのは2022年1月17日、女性は男と出会うきっかけとなったキャンプ場付近の山林で、左足の靴下のみを身に着けた裸の状態で発見された。
2024年3月8日の公判で行われた被害者遺族の意見陳述では、女性の父親の手紙が代読された。

「娘の遺体と対面したとき、半月ほど放置された遺体は野生動物に食べられ、修復するのに時間がかかったのが分かった」
「中学生の孫は『お母さんに会いたい。死んだらお母さんに会えるかな。死にたい』などと話している。心残りがたくさんあった。いまは冥福を祈るのみ。被告人へ、あの夜、何があったのか真実を伝えて欲しい。心が軽くなるのではないか。何があっても絶対許さない。死刑判決が下されることを望む」
男は2022年1月17日未明、女性の車で一緒にキャンプ場付近に向かったことは認めたものの、その後は女性を家に送り届け、自分の車を停めていた駐車場に徒歩で戻ったと証言。同日午前7時ごろに行われた自分への300万円の送金は、生きていた女性本人の操作であると主張した。
しかし、
「どのルートで帰ったのか」
「高速道路を使ったか」
「何時ごろ帰ったのか」
といったキャンプ場から女性の家まで送り届けたことに関する質問については、「どれがどの記憶か分からない」
「覚えていない」
「記憶がない」
などと繰り返した。