「性的に興奮すると鼻血が出る」ということを一度は耳にしたことがあるのでは?実際に鼻血が出るのか出ないのか?またどうしてそのようなイメージがついているのかを取材した。

耳鼻科医も知らない“鼻血のイメージ”が広まった理由

みなさんはよく鼻血が出ますか?

私は数か月に一回ぐらいの頻度で鼻血が出る。その姿を妻に見られると「変なこと考えてたでしょ?」とツッコミが入る。「仕事のメールを確認してただけ」と訴えても、なかなかその疑念は晴れないようで…。

真偽を確かめるため、耳鼻科の医師に話を聞いた。

──性的に興奮すると…鼻血って出るものなのでしょうか?

山本耳鼻咽喉科 山本一博 医師
性的に興奮して鼻血が出るというのはほとんどないです。

──「ほとんど」ですか…?つまり、可能性はあるということ?

耳鼻科としての根拠はないですし、これまでに私が担当した(東京の町田市医師会の)ウェブサイトでも「ない」と言っていたのですが、いろいろ見聞きしていると、可能性はゼロではないのかなと…。

ですが、実際にそれで鼻血が出てしまうと、繫華街だとかレンタルビデオ店のそういったコーナーだとかは大変なことになってしまいますよね。性的に興奮すると鼻血は出やすくなるかもしれないけれど、それが理由で鼻血が出るということはまずないだろうと思います。

そもそも鼻は血が出やすいものです。「キーゼルバッハ」という血管が多い器官が鼻にあり、鼻血の90%以上はそこから出ていると言われています。鼻の前方の辺りにキーゼルバッハがあることで、指で触わるといった刺激が加わりやすくなっています。

──ではなぜ「性的なことを考えると鼻血が出る」と言われるようになったのでしょうか?

理由は分かりませんが、私もそういったイメージはありますね。特にアニメや漫画で多い表現という印象ですが…。