全くないとは言い切れない? バイアグラの副作用に「鼻出血」

昭和の一人のギャグ漫画家に端を発し、漫画の世界で記号化した「性的興奮」と「鼻血」。しかし「全くのフィクションとも言えないかもしれない…」と山本医師は言葉を濁す。

山本耳鼻咽喉科 山本一博 医師
耳鼻科としての根拠はないのですが、性的に興奮すると顔の辺りが紅潮したり、血の量が増えたりすると言われていますよね。鼻の中の脆弱な血管から、血が出やすくなる可能性もあるかもと…。

あとはバイアグラという勃起不全の薬がありますよね。あれも副作用のところに「鼻出血」という項目があるんです。おそらく血管を拡張させるわけだから…と一応書いてあるんです。

──それでは、やっぱり鼻血がよく出る人はエッチなことを考えがち…ということでしょうか?
それはただ鼻の血管の多い部分にでっぱりがある、鼻血が出やすい鼻の形をしている人というだけです。鼻血で耳鼻科にかかる人も、花粉症や鼻炎がきっかけの人が大半で「性的に興奮して…」という人は見たことがありません。もしかしたら理由を秘密にしているだけかもしれませんが…

つまり「性的に興奮すると鼻血が出る」可能性があるだけで、鼻血が出たからといって必ず「性的に興奮している」わけではないということです。

──安心しました…ありがとうございます。

「これで妻に疑われずにすむ」と胸をなで下ろした。もしまた鼻血が出て妻に疑われたときは、昭和の一人のギャグ漫画家が、令和を生きる私たちにも影響を与える表現を生み出したのだと伝えたい。