他者評価にのることは、「自分の知らない自分」を見つけてもらって、信じてみること

毎日目の前の仕事に全力を注ぐというホランキャスター。幅広い仕事をこなす上で、自分に向いている仕事とは、どう出会っているのでしょうか。

ホラン
小さいころから「芸能界やりたい」と思って、芸能界に入って、その時々で「こうなりたい」「ああなりたい」っていうのはあるんですけど、願ってもそういかない場合の方が多いし、自己評価と他者評価は違う。自分はこれができると思っていても、結局キャスティングしてくださった方が、私が何ができるかっていう、他者評価で仕事をいただくことが多いので。

井上
そこに辛さはなかった? 周りからの他者評価と本当の自分はちょっと違うんだよなって思うような。

ホラン
そういう時代も、20代前半とかにはあったんだと思うんです。結局、自分の信じていることに反することはやらないけど、自分の中にある「要素」をちょっと強めるぐらいだったら別に嘘ではないし、それだけ人が言うんだったら、信じてやってみるとうまくいったりする。他者の評価に乗るってことは別にこだわりを捨てることじゃなくて、「自分の知らない自分」を人に見つけてもらって信じてみるっていうことだから。

周りに個性を見つけてもらって、例えば私だったら「気が強い」とか。「いや、気なんか強くないし」って思ってたけど、気が強いってこれだけいわれるってことは、個性なのかなと思って。

この間スイスに行って、鳥を見たんですよ。空を飛んでいる鳥は3回ぐらいしか羽ばたかなくて、あとは風に乗るだけ。風をどう読むかっていう知識と、どこに行けば先に進めるかとか、高く上がれるかっていうことを読んでいるだけ。

大事なのは飛び続けること。飛び続けるために、がむしゃらに羽ばたくのは3回。そのあとは、風に乗るだけと思うと、「人生これでいいんだ」って。

井上
スイスで気づいたんだね。