設置の背景に「交通戦争」

その背景には、交通事故の発生件数の推移にあります。こちらは1960年から2000年にかけて全国で発生した事故のグラフです。1960年代後半以降、大きく増加し、これに合わせて歩道橋が設置されたのです。

国内では、自動車交通の急成長に伴って交通事故が急増。事故による死者数も急増し、1970年に死者数は国内最悪の1万6765人に達しました。1960年代の状況は、「交通戦争」とも呼ばれていました。

県内でも、交通量の増加に伴い歩行者を事故から保護するほか、円滑な道路交通確保のため、1960年代後半から歩道橋が設置されるようになりました。渡り初め式には、多くの人が集まっていて、当時、歩道橋には大きな期待がかかってきていたことが伺えます。

ところが、当時設置された歩道橋が現在、老朽化していることになります。