2023年、仙台市内で介護事業を展開する会社の元代表の男性が、融資元から融資金の使い道を示す書類の提出を求められた際にその書類を偽造したとして書類送検されていたことが分かりました。

有印私文書偽造などの疑いで書類送検されたのは、三重県四日市市に住む無職の50代の男性です。

捜査関係者によりますと、男性は2023年1月頃、自分が代表を務めていた仙台市内の会社で独立行政法人から融資800万円分の使い道の証明書類の提出を求められました。

男性はその際、退職していない会社の前代表と、役員1人の退職金の受領証を偽造した上でFAXで提出し、これを使った疑いがもたれています。

偽造に気がついた前代表の家族が2025年3月に警察に告発状を出し、警察が調べていました。

tbcが入手した偽造された2枚の受領証です。退職金は支払われておらず、融資金の使い道は分かっていません。

記者:
「書類送検されたと連絡を受けてどう感じたか」

告発した男性:
「やっと犯罪が立証された。ほっとした一面、やるせない気持ちの半々」

告発したのは前代表の次男。やるせない気持ちには訳があります。

告発した男性:
「これですねこの男です」

告発した男性:
「このタイミングで代表に就任した」

この会社は、告発人の母が立ち上げ告発人も経営に携わってきましたが、書類送検された男性が2021年に代表に就任すると会社の多額の金を使い込み、1年半後に辞任しました。

告発人らが会社を取り戻したときには、口座の残高はほとんど残っていなかったといいます。

告発した男性:
「なんとか代表権を取り戻して会社の通帳を開けたら、現金が300円くらいしかない。弁護士と話して、会社は破産させるしかない」

記者:
「今後、検察にはどういった処分を望みたいか」

告発した男性:
「まずは起訴していただいて、法廷の場で全容を明らかに、真実を明らかにしてもらいたい」

書類送検された男性は、取り調べに対し容疑を認めているということですが、会社の金を使っていたことについては刑事責任を問えない状況です。
また、告発した男性によりますと、この男性による同様の被害は全国で発生しているということです。