島民や観光客の足として親しまれてきた船が、6日に40年近くの歴史に幕を閉じました。
宮城県の塩釜港と浦戸(うらと)諸島を結ぶ市営汽船「しおじ」の最後の運航が、6日に行われ、地元の子どもたちや乗客らが別れを惜しみながら感謝の気持ちを伝えました。

「ありがとう元気でね、僕たちのしおじ、だ~い好き」

塩釜港で行われた汽船「しおじ」の引退セレモニーでは、佐藤光樹市長や浦戸小中学校の児童・生徒約40人が出席し、子どもたちによる歌やリコーダーの演奏が披露されました。

船内の見学も行われ、子どもたちは初めて見る操舵室に興味津々な様子でした。

そして、午前8時50分。乗客約130人を乗せた「しおじ」の最後の運航が始まりました。

「しおじ」は、塩釜港と浦戸諸島を結ぶ市営汽船で、全長25.7m、64tで、定員260人の中型船です。

平成元年=1989年から島民や観光客の足として親しまれてきましたが、老朽化のため、6日で引退となりました。

乗客らは、島を眺めたり、思い出を振り返ったりしながら「しおじ」との別れを惜しんでいました。

浦戸小中学校中学2年生:
「第二の家みたいな感じ、登下校のときは毎日ここ乗って本読んだり勉強したり、たまには寝たりして過ごしていました」

乗客:
「この船は買い物に行くときに乗った。37年も活躍したのでありがとうという気持ち」

「しおじ」の最後の運航では、桂島や野々島などの浦戸諸島を約2時間半かけて巡り、島民ともお別れしました。

塩釜市浦戸振興課 前木愼市船長:
「私としては、子どもみたいな感じで共に成長してきたのかな。ご苦労様の一言ですね、そしてありがとう」

浦戸中学生の応援:
「これからしおじにエールを送る!フレーフレーしおじ!」

塩釜の市営汽船は、これまで「しおじ」を含め3隻体制でしたが、10月から「うらと」「しおね」の小型船2隻体制で運航しています。