「お母さんがずっと監視…、心配の度合いを超えている」

「例えば過干渉ですね、過干渉という名の虐待。これがどれだけ子どもの心を蝕むかっていうのを私たちは散々見せつけられてきました」

「だから、そういった意味の『心理学上の愛着障がい』。お母さんがずっと監視しているんですよね、心配の度合いを超えているわけです。子どもの生きづらさに繋がっているような親子関係のひずみが99%影響していると言っていい」

表面に目立った形で現れることがほとんどなく、自覚症状もない「特性」。
そして、家庭内で悪意によらずとも起こりうる、見えにくい「虐待」。
それらは、水の中を静かに舞いながら堆積していく微細な泥のように、時間をかけて視界や光を閉ざしてゆき、やがては生存に必要となる正常な判断能力をも奪ってしまうのかもしれない。

後編では『赤ちゃんポスト』の利用者となった公務員、事件になってしまう女性とそうでない女性の明暗を分けた「運」「知識」。そして安易な育児放棄を助長するとも言われる“赤ちゃんポスト”、蓮田医師が精力的に草の根の活動を続けているその理由に迫ります。

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