ではなぜテレビ局を辞めて教育長になったのでしょうか?

 (久保田さん)「どうしても子どもに直接支援するというのはメディアにいるとなかなかできないなと思っていたんですね。直接、公教育だと必ずそこに子どもたちが集まってきていて、子どもたちのことを知ることができるので、仕事としてとても魅力があるなと」

 久保田さんの子どもへの想いは自身の経験と深く関わっています。5年前、久保田さん夫妻は、生後7日の女の子の赤ちゃんを引き取り、特別養子縁組をしました。自身が監督を務めたドキュメンタリー映画「私の家族」では、手作りのアルバムを見せて娘に生みの親の存在を伝える“真実告知”の様子を発信して話題に。こうした経験が人生観を大きく変えたといいます。

 (久保田さん 4月8日の就任会見)「ご縁が少しずれていたとしたら、自分の娘は他の家庭にいっていただろうし。そう考えますと、自分の娘だけじゃなくて、周りにいる子どもたち全てのことがとっても大切な存在で。必ず幸せでいてほしいなというふうに強く思うんです」

 姫路市内の高校で講師を務めた経験から市長の目に止まり抜擢。最初に取り組みたいのは、働き過ぎている先生たちに少し余裕を持ってもらうこと。

 (久保田さん)「スマホで今返信しなきゃいけないっていうときに、子どもが“ママーお菓子!ママー!”ってなったときに、優しくできないんですよ子どもに。おそらく先生がブラックだとか時間がないとか残業が長いっていう状況が続いていることによって、丁寧に子ども1人1人に接するってことができなくなっている可能性はあるんだと思うんですよね。教員の皆さんの働き方改革から着手すべきなのかなって今は思っています」