80%が一斉には咲いている状態が見られなくなる

満開にならない桜…。
その原因は、開花のメカニズムと温暖化が関係していると専門家は指摘します。

(九州大学 伊藤久徳名誉教授)
「春の気温が上がると(桜が)早く開花するとつい思ってしまうが、そうではなく、冬の寒さというのが必要であるというのがポイントになります。今、その冬の寒さが足りなくなっているというのが温暖化とともに問題になる」


桜は通常、夏ごろに花の芽が作られると一旦休眠し、成長が止まります。
そして、冬になると寒さによって再び目を覚ます「休眠打破」が起き、春の温かさで開花に向け成長します。

ところが、冬の気温が高くなると「休眠打破」が十分に行われず、成長のスピードが遅くなり、桜の開花がまばらになってしまうのです。


(九州大学 伊藤久徳名誉教授)
「早く咲いた桜はもう散ってしまって、遅く咲いた桜だけが一部残っているような状態になってしまって、80%が一斉には咲いている状態が見られなくなる」


実際、この冬、宮崎市の平均気温は10.6度で、138年間の統計史上最も高くなりました。