「Nadiya」のお客さんがつなぐ縁

今回の取材の時に、ウクライナ避難民の女性に会いました。ダリア・ディミトロヴァさん(22)。2年前にウクライナ南部の港町ミコライウからお母さんと妹と3人でイタリアに避難し、その後、ダリアさんだけ日本にやって来ました。日本のアニメやマンガが大好きというダリアさんは、ロリータファッションで日本語がかなり上手です。

ダリア・ディミトロヴァさん
「(お母さんと離れて)寂しい気持ちが多いですけど、でも私はイタリアはあまり好きじゃなかったから一人で日本に来ました。ずっと私は日本に行きたいなと思ってて、(日本に行くのが)夢みたいな。(ーーウクライナで日本語の勉強は?)少しだけ。14歳の時にちょっとネットで、漫画とかアニメとかで半年くらいだけ勉強しました。去年の4月からは日本語の学校に1年くらい行って、もう終わりました」

別當さんはナディヤのお客さんがきっかけでダリアさんと知り合ったそうです。

別當紀人さん(Nadiya プロジェクトリーダー)
「お客さんの絵描きさんから『モデルを探してる』という話があって、どうせだったらウクライナ避難民の人にやってもらえればモデル代が払えるので、僕がフェイスブックかなんかで『モデルさん募集』と呼びかけたら彼女が『やりたい』と連絡が来て、モデルをやってもらえばそこでお金が発生するので。他のウクライナ避難民にもモデルをやってもらっている方が多いですね」

ダリアさんは今、千葉県内に住んでいて仕事を探している最中だということで、別當さんはナディヤで働けるように西東京市に引っ越してくれたらうれしいと話しています。また、ダリアさんが英語を話せることを生かして英会話レッスン会も始めたそうです。

別當紀人さん(Nadiya プロジェクトリーダー)
「彼女が英語を話せるので、チューターになってもらって英語を話しましょうみたいなイベントをやり始めました。そうすると、もちろん彼女の収入になるので。そんな大したお金じゃないですけど、やっていこうという感じですね」

ウクライナ避難民との交流をはかるイベント

さらに別當さんはウクライナ避難民との親睦を深めるイベントも開いています。2022年の年末にはクリスマスパーティーを開き、多くの避難民が集まって近くの住民や支援者らと交流しました。

避難民と支援者(2022年のクリスマスパーティー)

また、去年12月に国立競技場で行われたウクライナのサッカークラブ「シャフタール・ドネツク」とアビスパ福岡との親善試合では、会場前でアビスパサポーターとともにウクライナ国歌を歌いました。ダリアさんも参加して50人以上が集まったそうです。

別當さんはウクライナ避難民について「受け入れるだけをゴールにしない」と話します。今後もナディヤの運営とともに、避難民の「これから」もサポートしていくということです。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当・進藤誠人)