古谷さん

「お客さんの好みで具材を入れていきます。このように具材を乗せてくれという人とか、混ぜ込みごはんみたいな形でやってほしいっていうのもあります」

おにぎりは、エビや山椒ちりめんなど地元産の材料などを使った14種類。小鉢や吸い物がセットになった定食が人気で、多い日で1日に80個売れるそうです。

お客さん
「とてもおいしかったです。みそ汁が最高やったです。年齢も80歳近くなって今からまだ夢があるのはすばらしいなと思います」

弁当の宅配も請け負っていて、自ら車を走らせて届けます。

古谷さん

「僕、今までやった中で萩に来て悪かったっていうのはめったにないんですよね。だから僕はもう1回復活させるならば萩のよさをもう1回出せたらいいなと思っています」

店舗は、古民家を1000万円かけて改装しました。

古谷さん

「僕の人生の最後の形を人のために尽くそうという気持ちでこの『夢むすび』と名前をつけました。一緒にむすびを食って結んで楽しい会話をこの店でやっていこうと。そういう中で観光客を取り入れて観光客と市民と一体になって楽しい通りをつくっていこうという思いです」

古谷さんを突き動かす思いとは?

食堂の隣には、スナックを併設しています。夜でも人に来てもらえるように、です。そこまで「萩の復活」に懸命になるのは、自身が仕事で、萩市民に助けられたという思いからです。

古谷さん

「旅館時代に市民に営業でお願いにあがりまして来てもらえないだろうかという事で『それは古谷さん行くよ行くよ』と、僕を支えてくれた。お世話になった萩に観光で恩返しをしたいですね」。

維新の志士に思いを重ねて

60歳、定年を迎えたとき、地域振興に立ち上がりました。萩出身の偉人を詠んだ「萩かるた」を作り…萩をイメージしたお菓子の販売もしています。

古谷さん

「まちづくりをしたらみんなにお返しができるという意味で、僕はまちづくりを最後の軸として頑張っていこうと」

おにぎり屋さんの2階には、名所や道案内をする観光案内所も自費で作りました。周りには、観光神社や売店もつくる計画です。夢は広がります。

古谷さん

「1軒、2軒、3軒あれば一つの町になるから。1軒だけじゃ観光町になりませんので、3軒、4軒ぐらいあったら観光町になりますからそれを自分1人で作ってしまって、これを成功させようと。この夢っていうのは全部維新の人も、偉人も持っていて、そして成功したんじゃないかと思うんです」

夢を成就させた先人の思いとも重ねて…。萩の観光のシンボルをみずからの手で作り出したい。古谷さんの夢はまだ途上です。