JR東海は、リニア中央新幹線の長野県内の一部工事の完成が、当初、開業を予定していた2027年よりも4年遅い2031年になるとの見通しを示しました。
工期延長の発表に地元からは落胆や、説明不足を指摘する声が上がっています。


当初の予定では、2027年の開業を目指していたリニア中央新幹線。

しかし、3月29日…。

JR東海・丹羽俊介(にわ・しゅんすけ)社長:
「2027年の開業は実現しないと、実現できないと。静岡工区の着工の遅れが名古屋開業の遅れに直結するものでありますので…」

一方で、慎重姿勢を崩さず、遅れの原因として指摘されてきた静岡県の川勝平太知事は2日。

「6月の議会をもってこの職を辞そうと思っています」

「不適切な発言」が問題となり、辞職を表明しました。

これを受けて、工事が進むことに期待する声が上がった一方で、JR東海は4日、一部区間の工事計画を発表。

静岡工区と直接の関係はない飯田市座光寺地区と山梨県駅の高架橋の工事について、当初の開業予定より4年遅い、2031年中の完成を目指すとしました。

JR東海・古谷佳久担当部長:
「静岡工区の遅れの範囲内であり、名古屋までの開業時期に影響を与えるものではない」

飯田市 佐藤市長:
「それは事業者側の都合であって、住民からすれば工事の時間が長くなるのは(生活環境などへの)負担が大きくなることなので、工事のスピードを上げていただきたいし、しっかり説明をしていただきたい」

労災事故の非公表など、情報開示の姿勢がたびたび問われてきたリニアの建設工事。

地元の理解や協力を得るためには、課題や問題の共有や丁寧な説明が求められます。