初任給アップ相次ぐも…世代間で「格差」 高齢者は「負担増」も
小川彩佳キャスター:
経済担当の片山さん、かなり新入社員に対しては景気のいい発表がありましたね

TBS報道局経済部 片山薫デスク:
すごいですよね。賃上げの初任給のアップ率はすごくてですね、例えば半導体製造装置の大手の、「東京エレクトロン」は4割近く、前の年より8万5500円初任給を上げると。さらに、餃子の王将の「王将フードサービス」は23%、プラス5万2000円。さらに証券大手の「野村ホールディングス」は、全体の賃上げは3%だそうなんですけれども、特に入社3年目までは平均で16%と、どこも大幅に引き上げているんですよね。やはり人材獲得というのが一番の目的らしく、若い世代に集中して賃上げをしているということです。
小川彩佳キャスター:
大盤振る舞いというところですけれども、これは、でも一部の大手企業に限られた話なのでしょうか?
TBS報道局経済部 片山薫デスク:
そうでもなさそうで、中小も含めたシンクタンクの調査があるんですが、約7割の企業が、初任給を去年引き上げたそうです。今年も多分それぐらいいくんじゃないかと言われています。ただちょっと課題もあってですね、「世代間格差」と言うんですけど、例えば新入社員とか若手社員は今、非常に上がりやすいんですけれども、一方でやっぱ40代~50代半ばの就職氷河期世代だった世代は、今でもあんまり賃上げの恩恵を受けていないんじゃないかと言われています」
小川彩佳キャスター:
氷河期世代の方?
藤森祥平キャスター:
しわ寄せ、しわ寄せ!我々はかなりきついよ。

TBS報道局経済部 片山薫デスク:
なかなか上がるような感じってのはないですよね。若手中心になるっていうのが一つです。
もう一つは賃上げの恩恵を受けにくいのは高齢者なんですけれども、負担増が多いです。例えば公的年金の支給額っていうのは、前の年度より2.7%上がるんですけれど、実はこれ物価の上昇率には追いついていません。むしろこれより上回らないような設定をされています。
さらに、医療保険というのも後期高齢者の分は、一部の211万円以上の収入の方に関しては上がる。さらに介護保険料が上がる自治体も多いので、ちょっと高齢者全体でも厳しい春になりそうだなと。
小川彩佳キャスター:
ただこうした団塊の世代の方々、そして氷河期世代、団塊ジュニアの方々ですね。こうした方々が恩恵を感じられるようにならないと経済の好循環というのは、動いていかないですよね。
TBS報道局経済部 片山薫デスク:
全体で上がらないといけないですよね。