本当に不記載を反省しての決断だったのか…本質の疑問は残った

 若造が失礼なことを…という気持ちから出た二階節か。「バカヤロウ」は無いよなと思う半面、もしかしたら、政治家・二階氏から最後に罵倒された記者になったなら、それはそれで、とも感じている。二階氏が明確に述べた「年齢が理由ではない。」この質問は必要であったと思っている。

 ただ残念だったのは、本質的な疑問点が解消されぬまま、記者会見が終わってしまったことだ。「このタイミングで自ら勇退する決断に至った二階氏の政治的な狙い」は何だったのか…記者として力不足だったという他ない。政治取材は、政治家の懐に入り、どう本音を引き出すかとが難しく、距離感とタイミングをはかり質問を繰り出すのが一つの醍醐味なんだろうと思う。ほかの取材と少し異なる独特の世界でもある。

 東京へ異動して、国会取材などを始めて8か月、まだまだ勉強不足である。記者会見は、瞬間鋭く切り込み、真剣勝負をすべき場であり、それが記者を通して外から見つめる人々の関心に応えることにつながる。権力者や政治家から誉めそやされるよりは、怒られるほうがマシだ。そうしなければ、視聴者や読者から「バカヤロウ」と言われてしまうから。

(大八木友之 MBS東京報道部 記者兼解説委員)