人生も後半に差し掛かり「ある使命感」が…

これまで収集した作品はおよそ1000点に及びます。そんな辻󠄀本さん。人生も後半に差し掛かると「ある使命感」を感じるようになりました。

(かがみの近代美術館 辻󠄀本高廣館長)
「『集めた責任があるんじゃないか』と思いこむようになりまして。『作家に対する責任を果たしたい』とそれが一番強い気持ちだった」

コレクター人生の集大成として美術館の開業を決意した辻󠄀本さん。たまたま紹介され気に入ったという奥津の古民家を1年かけてリフォーム。

務めていた会社を辞め6年前にかがみの近代美術館をオープンしました。以来、奈良の自宅と鏡野町を行き来しながら全国から訪れる客に『夭折の画家』の魅力を伝えています。

(奥津温泉の宿泊客)
「(若くして)亡くなられた方がほとんどだと思うんですけれども、どういった目で今僕たちが見ている日常を感じていたのかなというのが伝わってきて非常に面白かった」

(かがみの近代美術館 辻󠄀本高廣館長)
「『お客さんの方がすごい』という方がいっぱいおられる。お客さんの解説を盗ませていただいたりとか…」
奥津温泉周辺をアートで彩る「OKUTSU芸術祭」を主催

地域活性化に貢献しようと5年前から奥津温泉周辺をアートで彩るOKUTSU芸術祭も主催。

さらに昨年からは倉敷芸術科学大学の非常勤講師を務めるなど芸術に対する知識を活かし幅広い活動を行っています。

(かがみの近代美術館 辻󠄀本高廣館長)
「僕の使命は作家を再評価するということもあるし、ここ奥津温泉に自分が来た以上は価値を高める。その思いは強いですよ」

ライフワークだった作品の購入をやめ所蔵する作家の魅力発進と地域活性化に全力を注ぐ辻󠄀本さん。自然豊かな鏡野町で第2の人生を満喫しています。