治験スタート「やれる事は、やってもらおう」すがる思いで臨む参加者

 去年末から治療の効果を確かめるため本格的な治験がスタートしました。40年前から糖尿病を患う佐藤智幸さん(71)。佐藤さんは20代~30代のころはトラックのドライバーでした。早くに妻を亡くしたこともあり、子ども3人を育てるために仕事を掛け持ちしながら働いていた時期もあったと言います。

 (佐藤さん)「どうしても生活が不規則になって、夜に食べたり甘いジュースを飲んだりしたのが1番悪かった」

 当時の体重は100kgを超えていて、33歳のころに糖尿病と診断されました。そして2022年の夏に合併症を引き起こし、左足の膝から下を切断しました。今回、佐藤さんの治験を担当した横浜総合病院・心臓血管外科の東田隆治医師は、合併症の恐ろしさをこう語ります。
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 (東田医師)「糖尿病の一番怖いのは合併症なんですね。そのうちの神経障害によって、足の感覚が鈍くなるということが起こると、例えば足に傷ができやすくなったりとか、傷ができていてもわからない。それに加えて動脈硬化が進むので、足の血流が悪くなると、また傷ができて壊死してしまう」

 さらに、片足を切断すると、心臓から全身に血液を送るバランスが大きく崩れるなど、体への負担が大きく、命にも関わるといいます。

 (東田医師)「足首より上で切断をしなきゃいけなかった人の半分は、大切断してしまった後に命を失うか反対の足も切断するか、というようなことが言われています」

 佐藤さんも、左足を切断した後に右足に負担がかかり、指や足の裏側まで壊死が進行。このままだとあと1週間後には右足も膝の下まで切断しなければいけない状況でした。佐藤さんはすがる思いで今回の治験に臨んでいました。

 (佐藤さん)「もうやれる事は全部やって、それでダメなら切断しかないんだから。やれる事はみんなやってもらおうということで」