被害相談約3000件 公表に2か月超

喜入友浩キャスター:
まだ原因がわかっていない、という事ですが、今わかっていることを整理します。27日に大阪市が回収を命じたのは、「紅麹コレステヘルプ」、「ナイシヘルプ+コレステロール」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」の三つの商品です。
そして、厚生労働省によりますと、入院した患者は主に2023年9月以降に製造された「紅麹コレステヘルプ」を飲んだ人に偏っているということです。

ただ、小林製薬はこの紅麹原料を、商社や食品メーカーなど170社以上に供給しています。原料というのは二つあり、▼サプリメントなどで使用するもの、▼着色や風味づけなどで使用するものに分かれます。
今回問題になっているのは、「サプリメントなどに使うもの」です。「サプリメントなどに使うもの」の原料に“想定していない成分”が含まれていた、ということです。
そして、「着色や風味づけなどで使用するもの」に関して、過去1年分について“想定していない成分”は含まれていませんでした。ただ、原因が特定できていないため、大事を取りどちらも回収自粛を呼びかけているといいます。
小川彩佳キャスター:
今問題になっているのは「小林製薬の」紅麹成分ですが、「他の製品は大丈夫なのか」と、結構不安に覚える方も多くいるでしょうし、風評被害も広がっているようですね。

東京大学 斎藤幸平 准教授:
やはり、食べ物は毎日摂取するものですし、発表が遅れたということもあり不安は募りますよね。

喜入キャスター:
現状(3月27日時点)で2人が死亡、106人が入院しています。相談件数は約3000件という状況です。3月22日に小林製薬の記者会見がありました。しかし、最初に健康被害を把握したのは2024年1月15日でした。健康被害の把握から記者会見まで約2か月かかりました。

健康被害の把握から記者会見までの間にもいろいろありました。
▼2月1日:医師から3人の症例の報告
▼2月7日:紅麹の原料分析を開始
▼2月16日:分析結果がでるも、結果として原因がわからず
こうしたことがあり、3月22日に記者会見という流れになっています。

食品問題に詳しい消費者問題研究所の垣田達哉代表によると「食品で医師から連絡が入るのはレアケース。専門的に見て、それなりの証拠を持って報告している。複数の症例報告が入った時点で公表すべき事案」
2月1日の時点で、医師から3人の症例が報告されており、小林製薬の小林社長も判断の遅れを認めています。
小川キャスター:
サプリメントだと、毎日飲み続けたりするものなので、公表が1か月遅れるとその1か月間ずっと飲み続けている人もいますよね。自主回収などを行っていますけれども公表した後のケアも十分なのかどうか。
斎藤幸平さん:
そういうのが余計、「紅麹全般が駄目なんじゃないか」とか、あるいは風評被害などにも繋がっていってしまうし、なんなら「塩麹も駄目」のようになってしまったら余計よくないので、やはり、きちんと原因解明を早くまずはしてほしいですよね。