技術の継承について考えます。
宮崎県えびの市の「現代の名工」、川野幸三さん。現在、84歳の川野さんは技術を受け継ぐ後継者を探しています。

えびの市の建築工芸家、川野幸三さん。

およそ50年にわたり木材を使った建築に家具の制作に携わり、おととし、卓越した技能を持つ人に贈られる国の「現代の名工」に選ばれました。

現在は、今月末に開催される歌手の米良美一さんのコンサートのためヒノキを使った舞台を制作中です。

(川野幸三さん)
「体が言うことを聞かない、足腰が。だけど、一生懸命、ここの温泉が応援してくれている。すばらしい」

84歳という年齢ながらも木の魅力を多くの人に伝えたいと創作活動を続ける川野さん。
しかし、直面している問題があります。
それは自身の後継者です。

(川野幸三さん)
「後継者は難しいことで、僕の過去を自分で思うと、すごい距離。僕が歩いた距離というのは。だから、それを乗り越えるというのはやっぱり大変だろうなと思う。それを後継者に求めるのは…」

木の文化を残したいという強い思いがある川野さん。

現在、宮崎市の企業「ライトライト」が展開している事業承継のマッチングサービス「relay」に登録し、後継者の候補を募集しています。

どんな人にチャレンジしてほしいか聞いてみると…

(Q:どんな人に来てもらいたい?)
(川野幸三さん)
「木を好きな人、これはどうしようもない。僕が木が好きだから」

長い時間をかけて培われてきた技術。後世に伝える人材が求められています。