日銀の政策転換で直面する課題と展望とは

日銀元審議委員 慶應義塾大学 総合政策学部 白井さゆり教授:
春闘のごくわずかな大企業の結果を待って、急いで金融政策決定した印象を与えている。本来なら4月・5月の実際の賃金データを待って、物価の上昇にも転じられて、尚且つ消費が増えていることを確認してから政策変更をするべき。
レガシー(異次元緩和の遺産)で、簡単に国債の買い入れを減らすわけにはいかないので、これからしばらく政策変更はないのでは。今後の見通しとしても、追加利上げは基本的にないと思う。

日銀出身 第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野英生氏:
日銀は、3月19日については勝負をかけてきて、思い切ったことをやったなと感じる。
マイナス0.1を0から0.1に変えた。これは見方によっては、ゼロ金利政策に対し、植田総裁は会見でむしろゼロ金利政策と呼ばれたくないというニュアンスを打ち出した。追加利上げを年内どこかでもう1回仕掛けてくるような、そういう意図があるのではないか。