「混じり合いの場をたくさん作っていくこと」の重要性

「リカバリーの学校@くにたち」ではダイバーシティサッカーの他、国立市の公民館で「いろいろな楽器で会話してみよう」といった身体で感じる講座も開きました。また、精神疾患や障害など様々な理由で生きづらさを感じながらも地域で暮らすため、対話しながら考える「リカバリーの学校」という連続講座が公民館で開かれました。「リカバリー」とは、何か問題があるのを「元の状態に戻す」という通常の意味ではなく、「疾患や生きづらさを抱えながらも充実した人生を歩もうとするプロセス」とここでは位置づけています。「リカバリーの学校」は対話を通して、「リカバリー」を定期的に考える場です。

連続講座「リカバリーの学校」の様子(一般社団法人眞山舎提供)

準備、開催に関わってきた一人、公民館の館長補佐、井口啓太郎さんは「障害がある人が、学校を卒業したあと、社会参加を後押しするような、社会とのつながりを作る場が少ないという現実が、国立でも日本全国でもあります。誰でも使える公民館などで、障害あるなし関係なく、共に学び、共に生きられる場が必要だと考えています」としたうえで、「ダイバーシティサッカーもそうですが、混じり合いの場をたくさん作っていくっていうことが、すごい重要だと思っています。もちろん場を作るだけだと、お互いの差異みたいのが明確になって、何かトラブルとかに繋がって終わり、みたいなことになりかねないですが、振り返りとか、話し合いとか、そういうことを通じて、学びあいの場にしていく。やっぱり、ここにいれてよかったとか、居心地が良かったとか、そういうことを感じられる場を作ろうと、いろんな関係者が、それに向けて努力をしてきました」と話していました。

「リカバリーの学校@くにたち」のような混じりあいの場が、講座の時だけでなく、普段から地域の中にいろいろとある。そうなることで、多様な背景を持つ人たちが、それぞれに充実して暮らせる地域になっていくことを目指しています。

(担当:TBSラジオ「人権TODAY」崎山敏也 (TBSラジオ記者))