相談者にすぐ住居を用意 背景にあるのは“過去の苦い経験”
面談を終えるとすぐさま大阪市内のワンルームマンションへ。急な入居に対応するため家具や家電のほかインスタント食品などが用意された部屋です。支援物資は、寄付と坂本さん自身の不動産業での収益によって賄われています。
活動に賛同するマンションのオーナー15人ほどが物件の管理を坂本さんに任せていて、相談に来た人が空き部屋へすぐに入居できる仕組みです。入居までの早さにこだわるのは、過去の苦い経験があったから。
(生活支援機構ALL 坂本慎治代表)「夜7時に相談に来た人がいて、そのとき僕、面談中だったんですよ。『ちょっと今混んでいるから、きょうもう遅いからあした来てくれるか?』と言ったら、次の日に来なくて。数日後に警察が来て『この人、来ていましたよね?』となって、『来ていたけど、あした来てと言って来なかったですわ』と言ったら、『神戸港に浮いていました』みたいな。あのとき、うわ、しくじったと思って。あしたまた来てねと言うだけだったら、あした来ないかもしれないし、死んでいるかもしれないんですよね」