江藤秀樹さん「トウモロコシが今は4、5、6月と5円ずつ毎月改定されて7月まで入れて今68円ぐらい。これがコロナ前の水準だと38円ぐらいだったんです。もう、カバーしきれない」
酪農は、牧草やトウモロコシといった飼料の多くを輸入に頼るため、世界的な気候変動や為替の影響を大きく受けます。多くの輸入飼料が高騰する中、江藤牧場の牛乳の生産コストも、1キロ当たり15円から20円ほど上がりました。多くの酪農家が同じように打撃を受けているといいます。

江藤さん「現役の40代の方たちが畜産、酪農から離脱して農業をやめてしまう方が3件、4件、福岡県でも出ている状況です。鹿児島からの報告では若い人が自殺されと、かなりの悲惨な状況になってますね」
◆月に140万円の赤字「売れば売るほど赤字」
福岡県酪農業協同組合によりますと今年度初めに172軒あった福岡県内の酪農家のうちすでに5軒が廃業。来月さらに3軒廃業することが決まっています。これまでになかったことです。

江藤さん「今はもう売れば売るほど赤字で、月に130~140万の赤字が出て利益が出ない。今まで蓄えがあった部分を切り崩しながらとにかく乳価を上げていただくのを待っていた」
九州生乳販連は11月から大手乳業メーカーへの生乳の販売価格を10円値上げし、1キロ当たり130円前後にすることを決めました。しかし、それでも採算は合いません。江藤さんは独自の取り組みを始めています。