牛乳の原料となる「生乳」の価格が九州で9年ぶりに年度途中で引き上げられることになりました。円安などの影響で飼料が高騰しているためで、生産する酪農家は赤字が続いています。値上げしてもコストの増加分を吸収できるわけではなく新たな取り組みを始めています。

◆暑さで生産ダウンの上、飼料高

福岡県嘉麻市の「江藤牧場」を早朝に訪ねると、飼育する乳牛約120頭の搾乳作業に追われていました。代表を務めるのは江藤秀樹さんです。

江藤秀樹さん「夏場は食べる量が減るから、生産量はこの暑さだと1割ぐらいは落ちてきますね」

夏場は牛乳の生産量が落ちるだけでなく、牛が病気になってしまうこともあるため対策が欠かせません。

RKB小畠健太「暑さに弱い牛のために、こちらの牧場では大型の扇風機を回して対策をとっています。それに加えて、牧場内の作業は重機を使ったものが多く燃料代や電気代の高騰がそのまま経営に重くのしかかっています」

この牧場では扇風機に加えて気化熱で冷やすためにミストも散布していますが、ここにも電気代などコストがかかります。しかし、もっと深刻なのは餌代の高騰です。