■“仕事”“陰性証明”・・・品不足の抗原検査キット 使用の優先順位は?

恵俊彰:
抗原検査キットというのは、“症状のある人に対しては有効性があるけれども、症状がない人に関しては正確なものが出ない場合がある”って書かれてるじゃないですか。となると、無症状の濃厚接触者は「2日目調べました」「3日目調べました」に果たして意味はあるんですか?

小坂教授:
症状がある人が陽性になればかなり(陽性の)確率が高いということになります。ただ、例えば介護施設やあるいはそういう場所での濃厚接触者という場合は、感染している可能性が高まるので、(抗原検査キットで)1回陰性でも、それは陰性とはいえないけど2回続けて検査すれば、かなり陰性の確率が高くなる。リスクゼロというわけではないんですけれども、少しは役に立つだろうと。

恵俊彰:
検査キット不足ということになると、症状のある人に優先的に調べてもらうことがいいはずで、だとすると濃厚接触者であるないに関わらず、症状のない人が検査をする意味ってのはどのぐらいあるんだろうと。

小坂教授:
そうですね、基本的には症状がある人がすぐに検査を受けられるようにするというのが一番やるべきことなんですよね。濃厚接触者はやはり感染の可能性が他の人より高いわけですから、そういう人に次に(抗原検査キットを)使う。濃厚接触者でもなく症状がない人が(検査を)やるというのは、さらにその後だろうと思いますし、あんまり意味がない場合が多いですね。

恵俊彰:
国が確保をしてる1億8000万回分の検査キットを、症状がない人が(待機期間)5日を3日にするために2回使うんですよ。でも2日後には動けるわけじゃないですか。

大谷氏:
一部の企業がやっているように、抗原検査キットで陰性となった場合には他県に出張してもいいと、何も症状がない人にもやってるわけですよね。もうこれだけ不足してくると、あまり意味がないのであれば考えようよ、ということにもなってくるんじゃないか。

弁護士 八代英輝氏:
症状がない人が、この限られた抗原検査キット2つを使わないと社会に戻れないということを政府が決めてしまうと、お子さんが何人もいらっしゃる家庭では、何個も何個も持っておこうってことになりますもんね。そうすると1億8,000万あると言われても、あっという間に市場に無くなってしまうと思うんですよね。ですからそういうことをさせないために「本当に症状がない人はもう社会に出てください、症状がある方は抗原検査をやってみましょうよ」という方向性に変えるべきなんじゃないかなと。そのタイミングにきてるんじゃないかと思います。