「賃貸の家賃」も上がる可能性

永濱氏は、マイナス金利の解除が与える影響の一つに、「家賃が上がる可能性がある」と指摘します。

例えば家賃が月8万円の場合、住人はオーナーに対して8万円支払います。
オーナーは物件を購入する際に銀行と不動産投資ローン(変動)を組んでいる場合があります。
オーナーが月7万円を銀行側に払っているとすると、家賃から不動産投資ローンを引いた差額1万円がオーナーの収益になっています。

今回金利の引き上げが決定され、不動産投資ローンの金利が例えば2000円上がった場合、オーナー側はこの2000円を家賃に転嫁させるのではないかというのです。

住宅ローンアナリストの塩沢崇氏はー
物価高騰で不動産価格が上昇しているため、庶民にとって家の購入が難しい状況。
オーナー側が「多少家賃が上がったとしても出ていかない」と家賃を高めに設定する可能性がある。
と話しています。

永濱利廣氏:
実はもう既に首都圏を中心に家賃が上がり始めているんです。今回のマイナス金利解除をきっかけに、多くのオーナーさんが「うちも上げようかな」という動きが増えてくる可能性が高いと思います。

コメンテーター 朝日奈央:
何かマイナス金利解除って何かいいことなのかなって一瞬思ったんですけど、デメリットも気づいたらあるなという。

恵俊彰:
銀行にたくさんお金を預けてる人たちにとってはいいことかもしれませんけれども、借りる側は…ってことですよね。

永濱利廣氏:
普通に自分で住むための住宅ローンを組む人も、これから負担が増えてしまう可能性はあります。

恵俊彰:
その増え幅がどのぐらいかという話ですよね。急にガンと上がるなんてことはないですか?

永濱利廣氏:
今回のマイナス金利解除程度であれば、多分上がっても0.1%ぐらいだと思うんですけど、今後も日銀が追加で金利を上げる可能性がありますから、そうなるともっと負担が増える可能性はあります。