「これまでは戦争に無関係と思っていた人たち・・・」

疑惑や不信はあろうと2030年まではプーチン政権が続くことが決まった以上、行く末に目を向けなければならない。短期的には“選挙前だから控えている”と言われてきた“動員”と“増税”だ。
これまでにロシアは34万人の兵士を失ったと伝えられる。これを補うための大規模な動員に踏み切るのかどうか。2022年に30万人の部分動員を実施した際は、プーチン氏の支持率が60%台まで下がった。さらに約70万人が国外に脱出している。

防衛研究所 兵頭慎治 研究幹事
「国家総動員までできるかというとそれは難しい。(中略)歳入を補うために所得税を20%に、法人税を25%に…って引き上げていくとなると、これまでは戦争に無関係と思っていた人たちが、場合によっては追加動員で戦場に送られるとか、増税を課せられてビジネスが難しくなるようなわけになってくるわけですね。プーチン大統領としても世論動向を見極めながら慎重に対応せざるを得ないんじゃないかと…」

戦争を他人事と思っているモスクワなどの市民に戦争を実感させることはプーチン氏にとっても避けたいところだろう。但し大規模な攻勢をかけるのであれば追加動員は必須だろうし、増税無くして戦費は持たないだろうと兵頭氏は言う。この短期的な焦点は近い将来、プーチン氏は方針を明らかにするだろう。では、もう少し長期的に見たプーチン政権の今後はどうなっていくのか?