桜島全体が危険? レベル5が招いた“誤解”

Q.地元では「噴石が2.5キロ飛ぶような噴火はこれまで何度もあり、レベル5への引き上げは違和感がある」との声もあるが?

(井村准教授)
大きな噴石が2.4キロ飛ぶような噴火で命の危険が迫っているような地域があるため、レベル5に引き上げられたわけだが、実際には避難が必要なところと必要のない地域が出てくる。
ところが、鹿児島市のホームページを見ても、ハザードマップには大正噴火クラスの全住民避難の想定しか出てこない。レベル引き上げの条件は決めていたが、今回のような噴火に対してのいろんな危機管理がきちんと行われていなかったことが問題だと思う。

避難が必要な地域を赤色、(危険度に応じて)その周辺を黄色、今までと変わらない地域を緑色で示した地図をちゃんと出せるような体制をとっておかなかったことが、住民らを困惑させるきっかけになったと思う。

もうひとつは、全国放送で「噴火速報」と「レベル5」が流れた。(みなさんがイメージするような)大規模な噴火ではないということを継続して言わないと、日本中の人が桜島が怖いとしか思わなくなってしまう。そのあたりをちゃんとフォローすることが大事だと思う。
レベル5の爆発以降、膨張は停滞しているが… (24日午後8時5分ごろ)

山体は今も膨張したまま…

Q.今、続いている山体の膨張が一気に解消されるような噴火が、今後起きる可能性は?

膨張は鈍ってはいるが、完全に解消されていない。今回を超える規模の噴火はやはり可能性としてはあると思う。2020年や1970年・80年代には今回のような大きな噴石を伴う噴火が起きていたので、地域の人たちがそれが再び起こった時にどう対応するか、きちんと考えることが重要だと思う。