たけしさんのギャグにも

元来、学術書の取り扱いも多く、寺山修司さんの名作を刊行するなど名門書店だったH書店でしたが、あまりの売上アップに腹をくくったのでしょう。1979年、ビニ本に特化した「H書店KKC店」を開店しました。するとこれが大ヒット。ビートたけしさんのギャグや、マスメディアの記事などにも取り上げられ、ここから「ビニ本ブーム」がスタートしました。TBSアーカイブにはH書店が新築したばかりのビルの雄姿が残っています。

H書店ビルは神田神保町の中でもかなり目立つ大きなビルでした(1980年のビニ本摘発時)

タイトルで勝負

ビニ本は、立ち読みで内容を確かめることができません。
しかも表紙は一応わいせつであることを隠しているという体裁をとらなくてはなりません。となると、勝負はタイトルです。業者は『青い珊瑚礁』『少女A』『天使のウィンク』など、当時のアイドル歌手を彷彿とさせるようなタイトルをつけました。

摘発された「ビニ本」。表紙の写真だけ見ると、一見、普通の写真集のようです。