ミシュランガイドと並ぶ世界的な美食ガイドブックの今年の日本版で、石川県七尾市の料理人・川嶋亨さんが栄誉ある賞を受賞しました。店が被災し営業再開の見通しが立たない中、再起に向け決意を見せています。
七尾市の日本料理店「一本杉川嶋」の川嶋亨さん39歳。フランス発祥の「ゴ・エ・ミヨ」は現在15か国で刊行され、今年の日本版には532店が掲載されています。日本の料理界をけん引することが期待される料理人に贈られる「明日のグランシェフ賞」に選ばれたのは全国で2人です。

一本杉川嶋・川嶋亨さん
「明日を向いて一歩踏み出すことで、経済がどんどん回っていくような雰囲気になっていけばいいなという思いで、今回このパーティ、この壇上に立たせていただいている」
今月6日、七尾市の一本杉通り。
一本杉川嶋・川嶋亨さん
「その時のことはあんまり覚えていない、もう本当に頭が真っ白というか…涙した。5分くらい立ち尽くすしかなかった、涙流して」
七尾市和倉温泉出身の川嶋さん。大阪や京都で腕を磨き2020年、国の登録有形文化財にも指定されている一本杉通りの古民家を改修して店を開きました。
一本杉川嶋・川嶋亨さん
「この建物も小さい頃からなじみのある建物だった。僕だけじゃなくて街の人にとっての親しみのあるシンボルのような建物だったと思う」
元日の地震で外壁の一部がはがれ落ち、建物全体にヒビやゆがみが発生。さらに隣の空き家ではこの春宿泊施設の開業を目指していましたが、建物は全壊し解体を余儀なくされました。
一本杉川嶋・川嶋亨さん
「悔しい。ここでいろいろな物語が始まると思っていたので…一瞬にしてその夢は失ったわけなので悔しい」
国内外から客が訪れ、1年以上先まで予約が埋まっていた一本杉川嶋。建物を修繕するにも、文化財を保護する文化庁との協議が必要ですが、最終的な判断はまだ出ていません。

一本杉川嶋・川嶋亨さん
「自分の城だった厨房、キッチンが無いわけだしそれはすごくつらい。自分がいま料理を奪われているような感じ」
川嶋さんは地震の直後から炊き出しのボランティアを行っています。同じように被災した料理人たちとともに小学校や避難所へ毎日温かい料理を届けています。

一本杉川嶋・川嶋亨さん
「じっとして何もしないことが一番つらいことなので、こうやって自分の大好きな料理をしている時がいちばん嫌なことも忘れられるし、やりがいを感じる瞬間」
川嶋さんはどれだけ時間がかかってもこの場所でもう一度店を立て直し、まちの活気につなげたいと話します。
一本杉川嶋・川嶋亨さん
「この街が大好きだしこの通りで必ず復活したいと思っている。自分が弱音を吐くのではなくて前を向いて頑張っていかなければいけないと思っている。そのための明日のグランシェフ賞をいただいたと思うので地域の旗揚げじゃないけど狼煙をあげて頑張りたいと思っている」














