およそ1か月に1回、女性の体におとずれる生理。その症状は年齢やホルモンの分泌量によって変化するため、人それぞれ生理の状態も異なります。

「腰が砕ける」「グサグサ刺される」「ペンチでつねってちぎる」といったような表現で痛みを表す重い生理痛や、生理前の3日から10日にわたり精神や身体的な不調が続くPMS(月経前症候群)など毎月、女性はこの激しい痛みや不快感と向き合わなければなりません。

また生理は女性の身体的負担だけでなく、金銭的にも大きな負担をかけるといいます。

沖縄キリスト教学院大学 仲里和花 准教授
「生理は12歳前後から50歳ごろまで約40年間続きます。その間生理ナプキンを買うために使うお金は40万円くらいと言われています。そのほか、生理ショーツとか、オーガニックのナプキンを使ったり、鎮痛剤や貧血の薬、漢方やカイロ、ハーブティーとかを購入する金額も加えると40万円以上かかります」

生理痛がひどく市販の鎮痛剤が効かない人の場合は、産婦人科での診療費や、無月経になった際の治療費などがかかる場合もあり、生理用品の購入が困難な「生理の貧困」で悩むケースも確認されています。

頭痛、腰痛、腹痛など、つらい症状を抱えながらも、この話を大っぴらにできない、ある種タブー視されている生理の問題について、その辛さを周りに伝えられない、我慢してしまうというケースが多く確認されています。症状に個人差があるため、女性同士でも打ち明けられない状況もあるといいます。

重い生理痛に毎月悩む女性たち
「2日目の症状が最悪で、腰の痛みがひどい。毎月鎮痛剤を飲まないと生活できない。イライラを外に出したくないけど、それも抑えられないくらいきつい。この気持ち分かります?」

「旦那に話しても理解をしてくれないから、もうあきらめています」

「年齢を重ねて少しはましになってきたと思うけど、それでもきつい。慣れるものではない」

「症状が軽い女性には、この辛さが分かってもらえないので相談もできない」

ツムラ『#OneMoreChoice プロジェクト』のデータより

医薬品メーカー・ツムラの調査によりますと、生理痛やPMSの症状が辛くても「表現しにくい」「我慢するものだから」とおよそ5割は周囲に伝えられず、「甘えるなと言われた」「生理は病気じゃないと取り合ってもらえない」など6割の人が辛い思いを経験したと回答しています。