なぜUAEが支援?ガザから約2000km

山本恵里伽キャスター:
ガザの非常に凄惨な状況ということが伝わってきました。ガザから約2000kmと遠く離れたUAEがなぜ支援を行っているのでしょうか。

中東支局長 増尾聡 記者:
ガザの支援には、アラブ諸国が力を入れていますが、特にUAEは多様な支援を行っています。

その一つの理由は、UAEがアラブ諸国として数少ないイスラエルと国交を持っている国だということがあります。4年前(2020年)にUAEは、電撃的にイスラエルと国交を結びました。その際に、パレスチナをはじめ、他のアラブ諸国からは「裏切りだ」との反発の声が多かったんです。

そうしたこともあり、今回「自分たち(UAE)は同じアラブの国として、ガザに寄り添っているんだ」という姿勢を示したかったものと思われます。

このミッションは12回行われていて、毎回イスラエル当局に事前に予定を通告した上で実施しているということなんです。

ただそれであっても、攻撃によってガザを抜けることのできない人が毎回多数いて、実際に私たちが取材した日も、搭乗を予定していた子どもの中には、この場所にたどり着くことができなかった子が多くいました。

UAEの担当者は「人為的に妨害されている」と嘆くなど、戦闘とは無縁な市民を救う取り組みであっても、極めて厳しい状況が続いています。

山本キャスター:
そういう過酷な状況の中で、これまでにどれくらいの人たちが救出されたのでしょうか。

中東支局長 増尾聡 記者:
これまで助け出された子どもや重病の患者は、約500人に上っています。

ただガザには、今も200万人が住んでいて、適切な治療を受けることができる市民はほんの一握り。極めて特別な例です。

戦闘開始から5か月が経ちましたが、停戦の兆しは全く見えず、戦闘が長引くたびに攻撃によって命を落としたり、助かる命であっても適切な治療を受けられずに死んでいったりする人がいる。

さらに、食糧支援が十分にできず、今この瞬間も餓死していく人たちがいる。そうしたことを私たちは改めて考えたいと思います。