「耐え難いかゆみ」実際に刺された人は

2023年8月、大阪市内の宿泊施設でトコジラミの被害に遭った方に話を聞きました。

「足全体とお腹、露出している部分を全体的に刺されてしまいました。翌朝すぐに自分の体を確認すると、真っ赤に腫れている状況が目に入りました。
針で常時突き刺されているかのような、蚊に刺されたときの感覚とはまた違う、耐え難いかゆみが1週間ほど続いてしまいました。」

五箇氏:
本当にアレルギー反応が強くてかゆみが強いんですね。蚊よりもそういった反応が強く出て、痒みが長く続いてしまうことになります。
ひどい人だと1週間から1か月ぐらいかゆみが続きます。
複数刺さればその箇所全部でずっと続くことになります。

五箇氏によると、トコジラミは、夜間に寝ている人の露出した手足や首などを狙って潜伏場所からはい出てきて吸血をします。刺されたと思ったら、皮膚科を受診してください。

「トランクはバスルームで開ける」旅行で気を付けること

トコジラミ対策は、「持ち込まない」「持ち帰らない」ことが重要。
宿泊先に着いたときには、荷物を一旦バスルームへ移動させます。そして、部屋の中をチェックしてから持ち込む。ビニール袋に洋服を入れて部屋に持ち込むのも有効です。

国立環境研究所室長 五箇公一氏:
緊急避難というか、要はその部屋が安全かどうかわかるまでは荷物はうかつに床に置かない方が安心です。
床のカーペットの裏側やベッドマットレスの隙間に潜んでいますので、荷物を置いたときに荷物に紛れ込んでしまうと、知らないうちに運び出してしまうという恐れもあります。
バスルームのように引っ掛かりがないツルツルしたところだと彼らは登れないんです。

恵俊彰:
万が一部屋で見つけたらどうすればいいですか?

五箇氏:
宿泊施設の場合はフロントに言って部屋を変えてもらうなり、ホテル自体変えた方が安全だと思います。
特に集団宿泊施設に関しては、1部屋いれば他の部屋にもいるだろうと考えなくてはならない。1匹でも見たら警戒が必要になってくると思います。

恵俊彰:
みつけたトコジラミはその場で処分していいんですか?

五箇氏:
ティッシュなどでつまんで、ビニール袋があれば中に入れて、トコジラミかどうかを確認してもらうのがいいです。

旅先から家に帰ってきた時も要注意。スーツケースはバスタブの中で開封します。
さらにその中の洗濯物は、使っていないものも含めてすぐに洗濯します。

五箇氏:
トコジラミ自体は水で溺れることはないんですけれども、洗剤を入れると界面活性剤で体表のワックスが落ちて溺死します。洗剤を使っていただくのが大事です。

キャリーケース以外にも、宅配で届いたダンボールの中に入っているということもありえます。荷物が届いたら、ダンボールなどは外で開けてすぐに処分をしてしまうのもひとつの方法です。

五箇氏:
必ずしも今、日本で流通しているダンボールにいるというわけではありませんが、念のため、特に海外から輸入されるような荷物に関しては十分注意していただいた方がよろしいかと思います。