虎舞存続の危機「言葉を失った。何にもないですから」

 しかし、虎舞という芸能は存続の危機に立たされたことがありました。

 (大槌城山虎舞・総会長 菊池忠彦さん)「だいたいその辺りに保管庫・会館があった感じですね。いやぁもう言葉失いましたもんね、何にもないですから。唯一、太鼓だけがショッピングセンターのほうで見つかったという」
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 菊池忠彦さんは岩手県大槌町の『城山虎舞』の総会長です。2011年3月11日、津波は大槌町にも押し寄せ、街を呑み込みました。『城山虎舞』では現役のメンバーで亡くなった人はいませんでしたが、1つの太鼓を除いてすべてが津波に流されました。絶望的な状況の中、菊池さんはあえて“こんな時だからこそ虎舞を続けよう”と思ったといいます。
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 (菊池忠彦さん)「これは復活は難しいんじゃないかなという思いはありました。でも、いま皆さんに、被災している我々も含めてみんなに必要なのは、震災前から脈々と続いてきたもの。いろんな意味で前向きにいかないといけないので、そのはずみになったのがやっぱり郷土芸能、虎舞。我々が小さいころから慣れ親しんだものをずっと続けていくことで、気持ちはすごく前向きになりましたよね」