喪失との折り合い

増子キャスター:
公開のタイミングは、東日本大震災から13年という時期になりました。宮城県で被災した人もたくさんご覧になると思います。どんな形で届いてほしいですか。

藤井道人監督:
災害だったりとか、その予期せぬもので大切な人を失ってしまった人。僕もその1人であって、その喪失ってすごく折り合いをつけるには時間がかかったり、何か周りの人の手助けが必要だったりするんですけれども、その中でこの作品が、「パレード」っていう架空の世界なんですけども、その大切な人もあっちの世界で元気でやってるならいいやって、実は自分に言い聞かせたかった作品でもあるんですね。
(※藤井監督と一緒に企画を作った河村光庸プロデューサーは2022年6月に死去)

自分を元気づけるために作ってる部分もこの作品にはあるので、同じように(この映画を)見た方々が、「天国に行っちゃったあいつはこうやって生きてくれてたらいいな」とか、そういう風に自分ごとに変えて楽しんでもらえると嬉しいなと。