映画制作への思い
増子キャスター:
この映画は、どんなことを思って制作しましたか。
藤井道人監督:
やっぱり僕らが1番ある種、知ってる世界というか、映画の力を信じて映画を作ってきたので、今回の作品は奇をてらわずに、自分たちが1番知ってるもの、自分たちが1番思ってることをどう出せるかっていうことが大切なのかなと思って作りました。
増子キャスター:
「震災」も作品の重要なテーマの1つになっていますが、脚本に盛り込むにあたって意識されたことやこういうふうに描いていこうと考えていたことはありますか。

藤井道人監督:
この企画をいただいた時は2021年頃だったんですけども、(東日本大震災から)10年間ずっと自分の中でモヤモヤしてるもの。どうやって自分がこの震災だったり、その喪失だったりに向き合えばいいんだろうって、やっぱり20代からずっと悩み続けてきて。ただ今、それから10年経った時に、自分たちの映像、映画の力でできることって、やっぱり残すこと。その人たちがそこにいたんだよっていう、存在したっていうものを。人や場、そして時代を残すっていうのが、映画を作るときの大事な役割なんじゃないかなっていうか。

そこへの敬意だったりとか、そういう思いみたいなのを大切に撮っていました。