「何で国内だけ考えているんですか」 製作段階で世界も視野に

齋藤キャスター:
インタビューで2人で話してるシーンを見ても、かなり野島さんが山崎監督に物申している場面もあり、このようなエピソードがあります。
野島さんが作っている作品に対して、山崎監督が「いいじゃん!」と言ったそうです。すると…

野島達司さん
「これでいいんですか?アメリカ納得しますかね?」
このような発言をされたということです。
監督としては「日本でブレークして、そして後に世界に」と思っていたそうですが、もう野島さんは最初から世界を見ていました。野島さんは「(監督は)大体7割くらいでOK出しちゃうからな」というふうに言っていました。
若い実力について…

山崎貴監督
「“Z世代の実力”は怖いなと思ったんですけど、『ゴジラは世界を目指しています。何で国内だけ考えているんですか』と言われたとき、(私自身)ハッとした」
こういった若い力が支えていて、35人で作り上げたということですね。
日比キャスター:
過去の視覚効果賞は、「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」、「E.T.」、「タイタニック」などが受賞し、それを今回獲ったと。しかも、この若手の存在ですよね。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
低予算ということもあり、今後の日本も人口が減っていく中で、映画も国内だけだと売り上げも飽和状態なので、こういうコンテンツをしっかり最初から海外に向けて発信していく。
東宝自体も、今回それにかなり力を入れて海外での商標権などを取り戻して、配給や宣伝を一括して自分たちでやるということをやって、今回の受賞に繋がったと。
これがきっかけになって、いろんなアニメも広がっていくといいですよね。

南波キャスター:
別の媒体で野島さんが受けていたインタビューを見たのですが、「非常にレベルの高いグラフィックでも、まだまだ日本のレベルは海外と比べると20年くらい遅れてる。日本全体のレベルを上げるのが目標だ」ということも言っていて、この年代で全体を見渡せるのは、すごいことですよね。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
そういうためにも、人数が少ないとどうしても低賃金・長時間労働になってしまうと思うので、こういう業界がこういうのをきっかけにして、どんどん待遇が上がって盛り上がっていくことを期待したいです。
日比キャスター:
改めて、「おめでとう」と「ありがとう」を伝えたいです。