進む町の復興 農業の再開は…

もともと双葉町は米作りが盛んで、震災前まで一面に田園風景が広がっていた。その光景は原発事故で一変してしまった。

そんな中、農業を再開させ、出荷にこぎつけた人がいる。木幡治さんだ。

木幡治さん
「全部で田んぼが約40ヘクタールあるんですね」

――もともと田んぼだった?
「田んぼだった」

長年耕してきた田んぼの土は、栄養分を豊富に含み、作物を作るには最適だった。しかし、原発事故で汚染されてしまったため、表面を取り除くしかなかった。

木幡さん
「一番きついですね。栄養分一番いいとこ全部持っていかれるわけですから」

代わりに入れられたのは山から運んできた砂だった。

木幡さん
「これはやっぱり養分がないもんですから、ちょっとブロッコリー、最初、植え付けしたときは生育が大変悪くてね」

町の復興は少しずつ進んでいるものの、農業を再開するのは容易ではない。

木幡さん
「震災前に戻るには、本当に10年近く黙ってかかる。でも、誰か始めていかないと誰も見てくれない。」