悲しい言葉をかけられた時も、音楽がいつもそばに

オーケストラが発足した時の子どもたちは、今、それぞれの道を歩み始めています。

大学進学を機に、子どもオーケストラを卒業した清信有佑さん(21)は、8年間ビオラを弾いていました。

8歳の時に震災を経験。高校生の時には、悲しい言葉をかけられたことがありました。

清信さん
「修学旅行に行った時に、他の学校の生徒に話かけられて『どこから来たの?』って言われたから、友達が『福島』って言ったら、『え、被ばくしてるじゃん、汚い』って言われて。そんなこと言うんだって思って。楽しい修学旅行だったけど、悲しい気持ちになったことは覚えています」

でも、そんな時も、音楽がいつもそばにありました。清信さんが、子どもオーケストラで得たことは。

清信さん
「継続する力とか、諦めない力を学ぶことができたかなって。実際は親に続けろって背中を押されたのもあるけれど、演奏が終わった時に立ってお客さんが拍手を送ってくれる、あの瞬間はすごく好きでした」

今は看護師をめざして勉強するかたわら、演奏会で裏方の仕事を手伝っています。

清信さん
「これから始める子たちには、音楽を通して楽しさを学んでほしいかなって思います。それがきっと自分の財産になると思うので」