願い込めた「音楽を通して生きる力を手にできるように」

震災の翌年、2012年に発足した「相馬子どもオーケストラ&コーラス」。

原発事故による心や体への影響が心配された子どもたちが、「音楽を通して生きる力を手にできるように」という願いが込められています。

活動費の約4分の3を相馬市が出し、残りは個人や企業の寄付で運営。

子どもたちは、全国から贈られた楽器で練習し、プロの指導を無料で受けています。ベルリンフィルなどの世界的に有名な楽団との共演も。年代の違う子どもたちの交流が生まれました。

小学生の時に演奏会を見て、「自分も挑戦したい」とコーラスを始めた島さん。今ではオーケストラと両立しています。

音楽に打ち込んで、得たことがありました。

島さん
「内気な性格だったけど、色々な人と関わるようになってから、自分を持てるようになってきたかなって思います」

オーケストラを立ち上げた菊川穣さんは、「音楽を楽しむだけでなく、居場所でありたい」と話します。

エル・システマジャパン 菊川穣 代表理事
「ここ(相馬)の子って、震災があって、色々なことを人一倍経験したなかで、音楽なんだけど、それだけじゃない、居場所として。彼らにとって帰る場所があることは、すごく良いことなんじゃないかなと思う。それをきっかけに、どんどん新しい自分の人生を切りひらいていってくれるんじゃないかなと思います」