「元から絶たなきゃダメ」作戦も

じつは警察もピンクチラシを黙ってみてきたわけではありません。1986年には印刷所を家宅捜索し、ピンクチラシ印刷業者を「売春防止法違反幇助罪」で摘発したのです。

摘発された印刷会社からは各種の印刷ゲラと、ピンクチラシが続々と。

家宅捜索の際には、色など丁寧に指定された印刷ゲラや、何万枚もの実物チラシが発見されました。

しかし、チラシ自体がわいせつなわけではなく、ましてや売春の有無を発注の段階で、誰がどう判断すればいいのか。印刷所の摘発は、憲法で保証された「言論・表現の自由」に抵触するのではないかと議論や批判の元となっていったのです。

「違法業者を摘発できないからといって、印刷業者を摘発するのはただのイジメではないか」と。

「意外な」解決

でも、もう見ませんよね。ピンクチラシ。では、なぜピンクチラシは淘汰されたのか。

もちろんケータイ(スマホ)の普及です。
21世紀に入り、携帯電話が普及することで、ピンクチラシは撃滅されました。実際はピンクチラシどころか電話ボックス自体が激減しました。
それもこれも時代の趨勢というものなのでしょう。

現在、電話ボックスは「緊急時のため」のものとして残されています。もちろんピンクチラシは1枚もありません。きれいなものです。(2023年撮影)